夏の夜、風鈴を口実に会いに来た「私」。今日こそ告白する——けれど、缶ビールを開けて飲んでしまう前に言わなきゃ、と思うほど言葉は出てこない。気持ちを一度も直接書いていないのに、ちゃんと伝わってくる。勢いよく引くプルタブ、へたったソファ、窓辺で鳴る風鈴——ささやかな仕草と小道具だけで、「言えない」が全部届く。そして最後の一行で、景色がくるっと変わります。読み終えて、もう一度頭から読みたくなるお話でした。
もっと見る