概要
魔導具を直すのは、令嬢のすることじゃない。
かつて侯爵令嬢だったリーゼには、隠していた「はしたない」特技があった。魔導具を直せること。亡き母にこっそり教わった手仕事だ。建国祭の夜、王家の宝である魔導シャンデリアが壊れ、彼女は犯人にされた。弁明すれば母との秘密まで暴かれてしまう。だからリーゼは黙って、婚約破棄と勘当を受け入れた。
流れ着いた下町の路地裏で、皮肉にもその「はしたない特技」だけが彼女を食べさせてくれた。持ち込まれるのは、ただの壊れた魔導具じゃない。亡き夫がくれた魔導カイロ、子どもの声で目を覚ます玩具——どれも、持ち主の思い出がしみついている。リーゼはそれを、思い出ごと預かって、直していく。
それでも、たったひとつだけ直せない魔導具があった。母の形見の、鳴らないオルゴール。「私だけは、誰にも直してもらえない」——そう思って
流れ着いた下町の路地裏で、皮肉にもその「はしたない特技」だけが彼女を食べさせてくれた。持ち込まれるのは、ただの壊れた魔導具じゃない。亡き夫がくれた魔導カイロ、子どもの声で目を覚ます玩具——どれも、持ち主の思い出がしみついている。リーゼはそれを、思い出ごと預かって、直していく。
それでも、たったひとつだけ直せない魔導具があった。母の形見の、鳴らないオルゴール。「私だけは、誰にも直してもらえない」——そう思って
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