概要
のぞいたのは、私の中の怪人だった。
配信用の椅子に仕込まれたカメラ。天井裏から覗く隣人の秘密。合わせ鏡の向こうで入れ替わる姉妹。令和のテクノロジーと都市生活の隙間に、江戸川乱歩が愛した”覗き見”“変装”“二重人格”というモチーフを移植した連作短編集。SNS、配信、監視カメラ――便利になったはずの日常は、いつのまにか誰かに見られている恐怖と、誰かを見てしまう欲望に満ちている。少年探偵団を気取る中学生から、贋作師の懺悔まで、六つの物語が描くのは「怪人は外にいるのではなく、あなたの中にいる」という乱歩イズムの令和的解釈。謎を追う者も、演じる者も、この覗き穴の向こうへようこそ。
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