飾りすぎない文体から、作者さまの人柄が垣間見えると同時にこれまでの時間の中で深められた知と確かな暮らしの呼吸を感じます。子どもだったころの出来事から食事のこと、そして旅の思い出から遥かな思索へ。読んでいて、作者さまの声と自分が近くにいることを感じられるような素敵な、すてきなエッセイです。
図書館や同級生の懐かしい思い出、剣道の師匠の話。他作品からも伺い知れる深い知識や、もはや知の冒険者ともいえる知識の源を垣間見ることのできるエッセイ集。腹痛などの話も面白く、独特の言い回しに、にやにやしてしまうこと、請け合い。ときおり、登場するタリーズも、作者の近況ノートを読んでいると、あの時のアップルパイ!ーーなんていう発見があります。これからも読みたいエッセイです。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(469文字)
ネタバレはしたくない小説。主人公の物の見方と知識の語り口が心地良い。 興味分野が近いからこそ、自分には書けない小説だと思うし、素直に凄いです。読めば分かると思うので、まずは読んでみて!
簡潔にランダムに印象をまとめると記憶の底に眠る、鋭利で柔らかな眼差し成長を「老い」と定義した早熟な感性柳宗悦との、時空を超えた「検算」という対話考証の厳密さと、飛躍という「嘘」の美学クサバさんという、消えない残像アップルパイのシナモンの香りと共に締めくくられる文章、まさに知性と感性が「用の美」のように一体となった、非常に密度の高い読書体験でした。次回の稿も、心待ちにしています。