第8話 合同訓練①
セレナ・ガブリエル
6大貴族の一角ガブリエル家の長女である。
緑と桃の色の髪を持ち、リーゼリット程ではないがある程度の長さを持っている。
発育は14、15歳の女子の体つきとは思えない程よく、男子に目の色を変えて群がられることがよくある。
美しいものが大好きであり、醜いものは大嫌いな性格
「それでリーゼ。私と組みたいの?ふふ貴方はこの周りにいる連中と違って美しいから、考えてあげようかな」
「私たちのグループまだ4人しか居なくてね、君が入ってくれると、気心知れた仲だしさ、助かるんだけど…」
うーんと悩んだそぶりを見せてくるが、心の中で何を考えているかくらいわかる。
ユークリッド家とガブリエル家は代々交流が深く、幼い時代の数少ない友人の1人であるセレナのことなんて、手に取るようにわかる。
「いいよ組んであげる。けど、一つ条件があるの」
艶やかな笑みを浮かべながら立ち上がり、私の顎を撫でるとセレナは口を開いた
「貴方からの愛を頂こうかしら」
「変なこと言ってないで、早く本命の条件言ってくれ」
これだからこいつは苦手なんだ。
昔っから会う度に変なことを言い出す。愛をもらうだの、唇を頂くだの、何かとそういう発言が多いんだ。
「もうつれないなぁ…本命の条件は私の従者も同じグループに入れてもらうわ」
「リューク?むしろ歓迎さ。彼の
リュークとは、ガブリエル家におけるフェンリル家の様な立ち位置の家である。
「じゃあリュークを連れてくるわ。先に登録済ませておいてね」
生徒数が多い為か、10数人の教師が生徒からのグループ登録を行なっていた。
教師に群がる生徒の中を掻き分け前に進むと、見覚えある顔が立っていた。
「アーヴィン先生。いたんですね」
「もちろんだよリーゼリット。例え自分の授業の生徒数がたったの2人で、すんごい暇な教師だとしてもね。てか暇だからこそって言うか。とほほ…」
アーヴィン先生の自虐ネタを軽く受け流し、試験のグループを登録した。
熾天寮一年生徒会所属(配属課未定)
リーゼリット・シオン・ユークリッド
熾天寮一年
ルミカ・フェンリル
熾天寮一年
豪山鉄人
熾天寮一年
竜胆鏡夜
座天寮一年
セレナ・ガブリエル
座天寮一年
リューク・フォーカス
グループ登録完了
これで試験に臨める。欲を言うなら水属性の魔法を使える人が欲しかったが、贅沢は言わないさ。
⭐︎★⭐︎
第一次訓練の内容はチーム同士による対戦であった。
総当たりというより、初戦はランダムで戦い、その戦いにより力量の判断、判断した力量により次の対戦相手を決めて対戦
これを繰り返し、次の段階に進むグループの仕分けを行うらしい。
第1回戦の相手は智天寮の6人組だった。
智天寮か、このチームで唯一繋がりがない寮だな。
「よろしくお願いします。いやぁ、俺たち6大貴族のうち2人相手に上手く闘える自信はありませんが、よろしく」
「そうですか。お互い頑張りましょうね」
その後も軽く挨拶と自己紹介をした後、戦闘が開始した。
フィールドは100m×100m程の広い範囲だ。
「タンクはゴウザンとキョウヤ。遠距離でルミカとリューク。遊撃はセレナ。メインアタックが私でいいかな?」
全員から賛成をもらい陣形を作る。
「風魔法!
相手の1人が遠距離攻撃魔法を使ってきた
同じ寮の風魔法使いに聞いた情報だ。
「キョウヤお願い」
「任せてリーゼ」
私の後ろに控えていたキョウヤが前に出て腰に携えていた一振りの刀の刀身を露わにした。
「神授・反射魔法"鏡壁反射"」
竜胆鏡夜の神授の力は反射の力である。
自身に向かってくる自身が攻撃と
「やべえ!こっちに返ってくるぞ!」
「全員避けろぉ!」
相手チームが四方に避けてバラバラになった。
今しかない
「全員、一人一人確実に潰そう。セレナ、一人一人が近づかないようにできる?」
「任せな。神授・召喚魔法"
召喚魔法、
セレナの魔力である闇属性の魔力を媒介にすることで使える力
72種類の使い魔を召喚できるらしいが、セレナの習熟度ではまだ5種類しか出せないらしい。
メイフィスとは、中型の虎型使い魔の事
「いい、あの5人を合流させないで。最悪、難しかったら貴方の裁量でリリィを4匹まで使っていいわ」
何よりこの魔法の最大の特徴は召喚者が使い魔に権限を与える事で、使い魔も召喚魔法を使えるようになるというとこにある。
「これで分断は完璧よ。じゃあまずあの子を倒すのね。見る感じ、かけらも美しくないし、さっさと倒しましょ」
「私がやるね!。神授・特殊技能"フェンリルノーツ"!」
特殊技能フェンリルノーツ
拳に神授回路を通して魔力を貯めることで使えるルミカ・フェンリルの神授の力。
名前の通り、フェンリル家に伝わる固有の神授の力である。
使うことにより、拳に狼の顔の様なものが現れ始める。これを使い直に殴ったり、飛ばして遠距離攻撃に使うなど、様々な使い方ができる。
今回の場合、ルミカはこの様に使う。
「大地よ、我が願いに応えたまえ!我が拳の内に眠りし暴狼の魔力に体を与えよ!ファルシュング・フェンリル!」
ルミカの拳に集まっていた魔力が地面へと落ち、形をなして魔力の狼を2匹作り出した。
2匹の狼の内、1匹は鎌鼬を撃ってきた生徒に、もう1人は近くにいた生徒に噛みつき、行動の阻害と同時に攻撃も行なっていた。
「お、ルミカちゃんまた強くなったの?流石だねえ」
「いえいえ、私に比べればセレナ様は何倍も強いですよ!」
「ねえいい加減敬語やめてよ。同じ女なんだし、幼馴染でしょ?仲良くしようよー」
「そう言うわけにはいきません。けど、あくまでも私は従者、貴女は家族。身分が違うの…けど、今度一緒にお茶しよ」
戦闘の最中、急な女子会を開いた2人に向かって鏡夜が何かを叫ぼうとした時、刀を持った生徒が2人に襲いかかっていた。
「お前らだけでもここで倒す!神授————!」
まずい、ここで2人が脱落はやばい…あれを使うか
それは、リーゼリットの神授ではないが、最初に学んだ魔法。
自身の記憶をベースに周辺の物質や魔力を使い記憶を現実に呼び起こす魔法。
習得難易度は
「具現化魔法!剣の歌!」
ある雨の日の昼空
悪天候などでは人の心は止まることを知らず
試験会場周辺に雨雲が押し寄せてきた。
天より降り注ぎしは曇天貫く矢の大群
率いるは
リーゼリットの背後に大量の矢が現れた。
この私だ
オルター・ノクタス著
短編集「イクサガミ」より抜粋
「ある雨の日の昼空
悪天候などでは人の心は止まることを知らず
天より降り注ぎしは曇天貫く矢の大群
率いるはこの私だ」
剣の歌を復唱している間、2人を襲っていた生徒を矢の大群が襲い倒すことに成功した。
「次!って……メイフィスが全部倒しちゃった」
「ありがとうリーゼ!油断してた。次からは気をつけるね!」
「流石だねえリーゼリットは。美しさと強さを兼ね備えてるとは。天は二物を与えずと言うけど、リーゼリットは二物以上与えられてて羨ましいね。そうだ。今回みたいな事無いように、みんなにリリィを1匹貸しておくね。」
まずは初戦を完勝で終えた。
続く第2回戦、休憩の暇はほぼなく、すぐに始まったが、相手はこちらと違い相当の激戦に勝利したらしく、かなり疲労が溜まっていた為か、簡単に勝ててしまった。
だが、問題は第3回戦で発生した。
貴族剣記〜剣と魔法の世界に生きる者〜 緋水鳥籠 @HimizuTorhkago0217
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。貴族剣記〜剣と魔法の世界に生きる者〜の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます