もしも、魔法のランプを手に入れたなら、あなたはランプの魔神にどんな願いを叶えてもらいますか?
大金が欲しい。権力が欲しい。永遠の命が欲しい。
きっと、誰もが一度は、そんな願いを思い描いたことがあるでしょう。
けれどもし、そんな〝願い〟さえも科学技術によってすべて叶えられてしまう未来にいるとしたら、いったい人は魔神へ何を願えばいいのでしょう。
この物語の舞台は、科学技術が発達した近未来都市です。
そこに暮らす13歳の少年ユウキは、ある日ハキームと名乗るランプの魔神と出会います。
物語に登場する魔神さながらに〝三つの願い〟を叶えようとユウキへ申し出るハキーム。
大金も、権力も、欲しいものは何でも与えられる。
そう語るハキームに、ユウキはなぜか乗り気になりません。
なぜなら、そんなありきたりな欲望は、とっくに科学技術が解決してしまっていたからです。
願いを叶える魔神が現れた世界は、もはや願うべきものが存在しない世界だったのです。
高度に発達した科学技術に困惑するハキーム。
そんな彼にユウキが告げた願い。
それは、ハキームともう少しだけ一緒にいることでした。
ずいぶんと、不思議な願いに思えますよね?
いったい、この願いにどんな意味があったのでしょうか?
その意味は物語が進むにつれて少しずつ明らかになっていきます。
まるで運命に導かれるように出会った二人には、思いもよらない共通の境遇があったのです。
やがて、二人が本当に求めていたものも明らかになります。
それは魔法でも、科学でも手に入れることのできなかったもの。
もしかすると、出会えたこと自体で、二人の願いは、すでに叶っていたのかもしれません。
さて、二人が手にしたものとは、いったい何だったのでしょうか?
疑問と興味を抱えたあなたを、各話の末尾に用意された次回予告が次のエピソードへと誘います。
そして辿り着いた最後に待っているのは、胸を熱くする意外な結末です。
どうぞアイコンを押して、二人の物語を確かめてみてください。
きっと心躍る時間が、あなたを待っていますから。
【レビューコンテスト応募】
AIに完全管理された近未来な世界。
そこで、長く病床に伏していた少年が手にした古ぼけたランプには、魔人ハキームが宿っていて……
定番の「三つの願い」の展開がはじまるのですが、そこは魔人の知る世界よりもずっと発展して、けどずっと不便な世界で。
少年の望みを叶えるどころか、魔人の存在も危ぶまれる始末。
けれど意外なアイディアでランプの魔人は、少年の望みを叶え、彼との絆を深めて行くのです。
ところが、上手くやっていたつもりの2人に、AIが異常を検知して魔人の存在の危機が!
利便と心の充足。最新技術と古代ファンタジー。補い合う様で対立する図式の物語の結末やいかに⁉
温かな気持ちに包まれるふれあいの物語。お勧めです。
強力な魔法を収めた魔人ハキームが科学万能の時代に蘇り、現代っ子・ユウキの願いを叶えんと勇むものの、「科学のチカラで何でもできる現代」にのっけから凹まされてしまう――TVアニメ『ハクション大魔王2020』でも描かれた構図ながら、
ハキームは科学の仕組みを自身の魔法の知識で再解釈、科学の世界にて再現してしまえる柔軟な思考のできるポテンシャルの持ち主で、1000年前には恐れられ封印されたという実力者っぷりが窺えます。
そんな彼も、自らの恐るべきレベルの魔術をもってしても癒されない“孤独”に苛まれていました。
奇しくもそれは、偶然にハキームをランプから解き放ったユウキも“便利だけど窮屈な社会”の中で感じていた思いと共鳴します。
ユウキがハキームに叶えてほしいと願ったことは
自分への富・力・権力いずれでもない、それらでは手に入らないもの、
“ハキームを管理AIから隠匿する=彼の存在の自由”
“ハキームとの友情”と
“友達=ハキームの心が満たされること”でした。
意外なほどスリリングな展開を経て、2人の願うものは最後には叶った、しかし直後に引き離されてしまう……そこでユウキがハキームに残したエンディングの言葉は、
「1000年も待たせない、『またあした』」。
魔法⇔科学の相互翻訳の妙、超常的存在の魔人といち少年の極めて素朴で人間的な心の交流。
見事に描きった一作です‼️
近未来、AI管理社会を生きる少年ユウキは、ふとしたことから魔法のランプを手にいれる。すると魔人ハキームが現れ、三つの願いを叶えてやろうと言うが……
ユウキとハキームのユーモラスな会話が、二人の個性が引き立てていて、自然と物語の中へ入り込めました。
自分が魔法で叶えてきたことが、ことごとく「日常」になってしまったと、しょんぼりするハキームを見ていると、科学の発展のありがたさを感じる一方、過度な管理社会の恐ろしさを感じる描写もあって、バランスの取り方がいいなと感じました。
毎話の最後についてる次回予告も、作者様のセンスが光っていて好きです。
「三つの願いを叶えてやろう」
そんな魔人の言葉に胸を躍らせる物語――かと思えば、この作品では事情がまったく違います。
1000年の眠りから目覚めた魔人ハキームを待っていたのは、科学技術が発達し、かつて人々が魔法へ願ったことの多くが“日常”になってしまった未来。
大金も、強大な力も、空を飛ぶことさえも。
得意げに差し出したものを次々と「もうあるよ」と返されていくハキームには思わず笑ってしまいます。
けれど、その姿にはやがて、1000年という時間に取り残され、自分の存在意義まで見失いかける寂しさが滲んでくる。
そして、この物語が面白いのは、そこで魔法を「時代遅れ」のまま終わらせないところでした。
ハキームは未知の科学を知り、その仕組みを理解し、自らの魔法を新しい時代へ適応させていく。
一方、便利で、安全で、多くの望みが満たされる未来社会に生きるユウキにも、科学では埋められなかったものがありました。
何でも手に入ることと、心が満たされることは、きっと同じではない。
だからこそ、ユウキがハキームへ託していく「願い」が、物語が進むほどに温かく感じられました。
1000年の孤独を抱えた魔人と、何不自由ない未来の中で孤独を抱えていた少年。
互いに知らなかった世界を教え合い、笑い合いながら、少しずつ自分の居場所を見つけていく二人の時間がとても好きです。
古典的な「三つの願い」を近未来のAI管理社会へ放り込みながら、その先で描かれるのは、科学でも魔法でも簡単には生み出せないもの。
そして最後には、少し胸を締めつけられながらも、思わず笑顔になれる素敵な余韻が待っています。
三つの願いの先で二人が何を見つけるのか。
ぜひ、その答えを見届けていただきたいSFファンタジーです。