概要
「この湯に、何を仕込んだ」勇者に詰め寄られた親父は薪の話しかしない。
湯船は六人まで。七人目は、魔王でも順を待つ。
王都の裏路地にあるボロ銭湯「裏のゆ」の決まりだ。
主人のガレオは四十半ば。魔法が一つも使えず、ギルドを首になった男だ。
湯銭は誰でも銅貨二枚。客の名も稼業も訊かない。
夜更けには、顔を隠した客がふらりと来る。
竜を斬った白狼の娘。古傷だらけの勇者。黒ずくめの魔王。
聖法でも抜けない体の底の疲れが、この湯でだけ溶けるからだ。
ところが本人は、自分の火が何なのか知らない。
白狼の娘が頭を拭かれて耳を寝かせ、周りが青ざめても、「よく温まったんでしょう」で済ませる。
勇者も魔王も、客同士の渾名だと思っている。
やがて剣聖も賢者も聖女も騎士団長も、名乗らないまま湯に沈む。
賢者が本当のことを言いかけると、白狼の娘がその口に握り飯を押しこむ。
本人の中
王都の裏路地にあるボロ銭湯「裏のゆ」の決まりだ。
主人のガレオは四十半ば。魔法が一つも使えず、ギルドを首になった男だ。
湯銭は誰でも銅貨二枚。客の名も稼業も訊かない。
夜更けには、顔を隠した客がふらりと来る。
竜を斬った白狼の娘。古傷だらけの勇者。黒ずくめの魔王。
聖法でも抜けない体の底の疲れが、この湯でだけ溶けるからだ。
ところが本人は、自分の火が何なのか知らない。
白狼の娘が頭を拭かれて耳を寝かせ、周りが青ざめても、「よく温まったんでしょう」で済ませる。
勇者も魔王も、客同士の渾名だと思っている。
やがて剣聖も賢者も聖女も騎士団長も、名乗らないまま湯に沈む。
賢者が本当のことを言いかけると、白狼の娘がその口に握り飯を押しこむ。
本人の中
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おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!幸運にも…
幸運にも、小さい頃、家の風呂が薪窯とガスボイラー両方ついてる風呂でして、家の隣が製材からスタートする大工さんだったんで、大工さんが端材や廃材くれたんです。
私、毎日薪で風呂沸かしてた経験があるんですよ。
それを幸運と思える歳になっちゃいましたw
『職人の勘』ってのは、オカルトじみたものじゃなく、経験則ですが、本人すら何を元にそう判断してるかあまりわかって無いせいで、『勘』としか表現出来ないものですが、まぁ、AIの学習が進めばいつか再現できると思います。
ただ、社会や会社や組織って言うのは、数字で動きますが、人の手足は、当然ですが当人しか動かせない。
このお話しはそう言う話しだと思いますの…続きを読む