病室のカーテン一枚を隔てた隣のベッドに、忘れたはずの名前が眠っています。確かめれば、分かる。でも彼女は、確かめない。派手な展開は何もありません。ただ、選んだ人生と、選ばなかった人生が、薄い布一枚を挟んで並んでいる——その距離だけで、胸が静かに鳴ります。読みながら、わたしも何度もカーテンを開けたくなりました。でも、開かないから、いい。
もっと見る