噺家の口演風に書かれた本作。創作落語っぽく思えますが、意外や意外、SFです。落語の口演は、たいていの場合、本題の噺に入る前に『枕』と言われる語りが入ります。『枕』の内容は演者や噺の内容によって様々ですが、噺本編に入る前に聴き手を惹きつける、大事なパートです。本作の語り手が『枕』で語るには、自分はAI噺家で、最初で最後の舞台に上がるそうで……。軽妙な語りに、思わず、ほうほうと惹き込まれました。落語好きにもSF好きにもオススメの快作です。
もしAIが噺家になったらの世界を見事に表現した作品です。しかも冒頭からまるで本物の高座を聴いているみたいな噺家ぶりのAIさん。さらに有名な古典落語をいくつか持ち出して、上手く繋いで、最後に秀逸なオチをぶちかまして、これはもう絶対に音声で聴いてみたい、そう思わせてくれる傑作でした。するってえとなにかい、おまえさん。『時蕎麦』もデジタルだから鐘の数を間違うわけはねえってのかい。てやんでい、バカいっちゃいけねえよ。という感じのネタもいずれまたお待ちしております。
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