読み進めるほど、これはAIとの戦いというより「人間って何だろう」と自分に問い返される物語なんだなと感じました。
特に印象に残ったのは、追い詰められても誰か一人を見捨てない選択をする場面です。派手なアクションの中に、人の温度がちゃんと残っていて胸が熱くなりました。カイは無鉄砲に見えるのに、自分のためではなく誰かのために走れる人だから仲間がついていくのかな、と勝手に考えています。一方でレンは優しさがあるからこそ揺れ続ける姿がリアルで、これからどんな答えを見つけるのか気になって仕方ありません。
世界観は重厚なのにテンポが良く、バイクで駆け抜ける疾走感が読者まで巻き込んでくれます。AI社会への問題提起と青春群像劇が自然に溶け合っていて、読後にはタイトルの問いが静かに心へ残りました。SFが好きな人はもちろん、キャラクターの成長を追う物語が好きな人にもぜひ手に取ってほしい作品です。