概要
逃げても逃げても、戦場だった。滅びゆく平家、無名の兵士の静かなる記録。
「逃げてる。おれたちは逃げてる。」
壇ノ浦の敗戦。平家の船団が散り散りになる中、御厨良房はただ、波の音を聞きながら西へ西へと逃げていた。
生き残った十三艘の船。中将様と共に漂流し、小島で焚き火を囲む夜、良房は自らの内側にある「修羅」と向き合う。
戦場では、名前のない死体が踏み越えられる。
戦場では、うまい米の味さえも悔しい。
そして、帰りたい場所には言えなかった言葉が残されている。
これは、歴史の教科書には決して記されることのない、名もなき兵士の「死」と「生」と「言葉」の物語。壇ノ浦の夜を、平家側と源氏側それぞれの視点から描いた連作短篇のうち、平家側のある男の一夜。
壇ノ浦の敗戦。平家の船団が散り散りになる中、御厨良房はただ、波の音を聞きながら西へ西へと逃げていた。
生き残った十三艘の船。中将様と共に漂流し、小島で焚き火を囲む夜、良房は自らの内側にある「修羅」と向き合う。
戦場では、名前のない死体が踏み越えられる。
戦場では、うまい米の味さえも悔しい。
そして、帰りたい場所には言えなかった言葉が残されている。
これは、歴史の教科書には決して記されることのない、名もなき兵士の「死」と「生」と「言葉」の物語。壇ノ浦の夜を、平家側と源氏側それぞれの視点から描いた連作短篇のうち、平家側のある男の一夜。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!禅問答、壇ノ浦にて。
源平合戦の後日譚。
元は野武士集団であった源氏の勢い止まらず
相対した平家の惨敗。雅やかな悲劇の波を
掻い潜って配送する名も無き若武者。
生き残った十三の船で中将に付き従うが
暗い波間の中にも、白い濱の篝火の中にも
答えはなかったのだ。
何故に、争うのか。
平家に従っただけの、只の人である。
京の都には父母と縁談の決まった妹がいた。
再び相見える事が出来るのか。彼らは
達者でいるのだろうか。
戦さ場の中では、生と死が刹那を以て
切り苛んでは無慈悲にも勝敗を捌つ。
永劫となる時の流れも波の満ち引きの中で
誰一人 わからない 行く末を、只々
凝っと見つめている。
若武者と、その上官…続きを読む