概要
完璧な世界で、春日QXの小さな義務だけが終わらない。
ASIによって戦争も飢餓も労働も消えた未来。
人々は生活の心配から解放され、趣味や創作、旅行を楽しみながら、毎日ごく小さな「義務」を果たしている。
巨大で完全な都市施設「Complex17」で暮らす春日QXの義務は、古いAIノードを確認するだけの形式的な作業だった。
だがある日、端末が震える前に、彼の指先が震える。
相棒であるローカルAI・青7号は、それを「同期疲労の軽度反応」と説明する。
完璧に親切な社会。
選びやすいように配置された自由。
誰も責めない義務。
そして、表示されない余白に残る小さな違和感。
春日QXはまだ知らない。
その違和感が、人類全体を巻き込む問いへ変わっていくことを。
人々は生活の心配から解放され、趣味や創作、旅行を楽しみながら、毎日ごく小さな「義務」を果たしている。
巨大で完全な都市施設「Complex17」で暮らす春日QXの義務は、古いAIノードを確認するだけの形式的な作業だった。
だがある日、端末が震える前に、彼の指先が震える。
相棒であるローカルAI・青7号は、それを「同期疲労の軽度反応」と説明する。
完璧に親切な社会。
選びやすいように配置された自由。
誰も責めない義務。
そして、表示されない余白に残る小さな違和感。
春日QXはまだ知らない。
その違和感が、人類全体を巻き込む問いへ変わっていくことを。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!完璧な世界で穏当に生きることは、幸せなのだろうか。
主人公が住んでいるのは、”完璧”な完成された世界。
あらゆる苦しみや悩みから解放されたユートピアのような場所で、労働とも呼べないほどささやかな義務を果たしながら暮らしています。
……いいなあ、って思いましたか?
確かに、戦争や飢餓がないのは理想的です。
そうあってほしいと、きっと多くの人が願うでしょう。
でも、それが人の力――永きにわたる人類の努力の結晶ではなく、より進化を遂げたAIによって整えられ、準備された世界だったなら。
便利で快適な”最適化”された社会。
繰り返されるのは、すべてが”穏当”で問題のない毎日。
どうですか?
あれ、と思った方も、そう思わなかった方も。
読めば…続きを読む - ★★★ Excellent!!!~ 震えるのは、義務ではなく指先の方だった ~
戦争も労働も消えた完璧な世界という設定は目新しくないけど、その「完璧さ」を春日と相棒AI・青7号の事務的な掛け合いだけで描いているのが面白い。義務、誤差、基準値内――そういう無機質な言葉が繰り返されるたびに、説明されない部分にこそ不気味さが溜まっていく書き方で、SF的な説得力がある。
派手な事件はまだ起きないけど、「指先が震える」という小さな身体反応一つで世界の歪みを匂わせる導入は丁寧。青7号の応答が春日の癖を一つずつ「健康ログ」として回収していくやり取りに、優しさと監視の境目が曖昧な気味悪さがあって、続きが気になる。
短い話数でテンポよく進むので、管理社会×AIバディもののディストピアが好…続きを読む