概要
闇堕ちした宿敵ムーブをしていたら周りが曇り始めた話。
──少年は、勇者に勝ちたいだけだった。
女神の祝福が女性にしか宿らないエウリア聖王国で、男は守られる存在とされている。
少年ユリス・アステルは、そんな世界で、幼馴染であり勇者候補でもある少女アリアに何度敗れても剣を握り続けていた。
守られる側で終わりたくない。
一人の戦士として、勇者の前に立ちたい。
その願いに応えたのは──眠っていた魔王の剣だった。
ユリスは縋るように手を伸ばす。
しかし、剣に宿る魔王が告げたのは、救いの言葉ではなかった。
『貴様には、闇堕ちした宿敵ムーブをしてもらう』
曰く、闇堕ちした宿敵には、登場、沈黙、目線、台詞、別れ際の余韻までもが重要らしい。
そんな妙にこだわりの強い魔王の美学に巻き込まれ、ユリスは聖王国を離れることに。
ただ、