記憶を失った主人公が探偵に依頼したのは、「自分が恋人を殴った動機を調べてほしい」という異例のものでした。自らを加害者と疑う逆転の構図に、一気に引き込まれます。事件の鍵は、彼が贈った「紫陽花の花束」。彼がロマンチックな意図で選んだ“花の色”が、皮肉にも最悪のすれ違いと悲劇を生んでしまう展開はお見事。だらしない探偵が紐解く切ない心理描写と、梅雨明けのように爽やかな読後感。サクッと読めて深い余韻に浸れる傑作です!
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