概要
爪を切る、ただそれだけのことでも
自主企画「第三回さいかわ卯月賞」の参加作品です。3つのお題「爪」「春の宵」「歯車」のうちから、選んだのは「爪」です。
日常、なにげなくやっている爪切りでも、難しくなる時があります。いつか来るその日に向けて。
日常、なにげなくやっている爪切りでも、難しくなる時があります。いつか来るその日に向けて。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!爪先から老いと家族を見つめる短編
『爪を切る日』は、大学病院の待合室で父の診察を待つ、ほんの短い時間を描いた現代ドラマやね。大きな事件が起こるわけやない。誰かが声高に泣くわけでも、劇的な別れがあるわけでもない。ただ、父の隣に座って、なかなか呼ばれへん番号を待つ。その静かな時間の中で、親の老い、家族の距離、そして自分にもいつか訪れる未来が、少しずつ読者の胸に近づいてくるんよ。
この作品の魅力は、「爪を切る」というあまりにも日常的な行為を、人生の時間と家族の役割の変化へつなげているところやね。普段は気にも留めへんようなことが、ある日ふと、誰かを支える行為になる。自分でできていたことができなくなる。そのとき、家族はどう向き合うの…続きを読む