概要
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!アレは何👀?
子どものとき、好奇心旺盛な子だったと思う。
おばあちゃん子だったから、手を引かれ、祖母と歩く道すがら、あらゆるモノについて尋ねた。
アレは何👀?
人から、物知りですねと、よく言われる。
ソレは祖母に感謝しなければいけない。
あのマシンガンのような質問に、あきれることなく答えてくれたのだから。
このお作品を読ませていただき、そんなことを思い出した。
人の記憶には、匂いが強く結ばれるという。
キンモクセイ。
トイレの匂い。
アレは何👀?
キンモクセイ。トイレの匂いの元だよ。
祖母の教えに間違いはない。
大人は、花の名前をたくさん知っている。
けど、生徒が優秀でないと、その教えは伝わりきら…続きを読む - ★★★ Excellent!!!記憶が香りを連れてくる
ふとした時に嗅いだ匂いが記憶を甦らせる。「プルースト効果」としてよく小説にも書かれますね。本作でも、認知症の母親に金木犀の香りを嗅がせてやれば、自分と歩いた花香る小道の記憶を思い出してもらえるのではないか、主人公がそんな思いを抱く場面があります。
しかし本作の白眉は、金木犀が咲くはずのない春、母の葬儀で主人公が金木犀の香りを感じるシーンです。沈丁花ではないかという義姉とのやりとりもありますが、恐らくそうではない。母との大切な思い出を覚えているから。母のことを深く偲んでいるから。だからこそ記憶が金木犀の香りを運んでくるのです。涙に暮れる別れではなく、思い出と香りが静かに交差する、余韻が味わ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!あの日を思い出す、金木犀の香り
子供の頃、大人は花の名前をたくさん知っていると思っていた。
そんな書き出しで始まる本作は、花の名前と母との記憶を描いた作品である。
けれど、花の名から思い出される幼少の記憶は、どれも楽しいものばかりではない。
それでも、金木犀にまつわる記憶の中の母は、大きくて力強かった。
やがてその母は年老いて、認知症になる。
匂いは記憶と直結しているというけれど、過去を忘れゆく人も、匂いから何かを思い出すことがあるのだろうか。
もし認知症の母が金木犀の香りを嗅いだなら、あの日のことや、語り手の知らない日々のことなどを思い出したのだろうか。
そんなことを考えさせられた。
静かな味わいのある作品です…続きを読む