太陽を失った日、ひまわりは笑う。

この作品は、太陽のように愛した彼女とヒマワリ畑で始まる小さな違和感が、やがて逃れられない恐怖へと変わっていく物語です。

非情に怖いのに、妙にロマンチックで逃げ場がない話でした。

ヒマワリの「太陽を向く」性質と、愛や執着、依存が呼応しているような描写に感じました。
ヒマワリや蝉といった夏のモチーフが不穏に反復されていて、またそこが恐怖を駆り立てます。

後半は翔吾視点に移り、守るつもりだった愛がいつの間にか狂気に変わっていく様子に、逆にホッとしてしまう程でした。

ホラーなのに感情が生々しく、読後も後味の残る短編です!

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