とても優しいホラー。だけどちゃんとホラー!!

 ロクスケがとても愛くるしいですね。
 あと稲荷寿司を永遠と作らされるのが恐ろしいのか、可愛らしいのか、判別がつかなくて最高でした!(怪異によって永遠とお仕事させられるのは、『千となんとかの神隠し』みたいですね。暇があれば私も稲荷寿司を作りにお宅へ伺います)。

 冗談はさておき、私が最も気に入った点は、「流れ」の作り方です。
 オープニング・イメージで不穏な空気と「信じる者は救われる」という約束をした後、本編が始まります(しかもオープニングの段階で言織もちゃんと登場していた)。
 そのお陰で読者たちは、「この先、どんなことが起きるのか予想がつかない」緊張感と、「きっと彼女たち(少なくとも茉莉)は救われるのだろうという」安心感を得たまま読み進めることができるかと思います(多分)。

 そして実本編の前半では茉莉がいじめられる描写があり、そこから怪異の登場という「流れ」になっています。
 ここまでは説明に重きを置くことで、本作の世界観と奇妙な雰囲気を滑らかに展開することに成功しています(少なくとも私はそう感じました)。
 またそのような空気を最初に与える構成が良かったと思います。

 その後、怪異が登場し、(軽く勧善懲悪の要素を取り入れつつ)物語は終盤へと差し掛かります。
 そこで登場、「稲荷寿司」。最高のカタルシスです。そして子狐が可愛い。

 ここまで長々と語ってきましたが、本作の最大の魅力は中盤(終盤)にあったかと思います。
 私が最も魅力を感じた点、それはキャラデザです。

 ロクスケと言織を筆頭に魅力的なキャラクターのオンパレードで、単にビジュアルが良いだけでなく、怪異らしい不思議な見た目のキャラも登場させることができていました。
 私は宵崎が一番好きです。カッコいい。渋い。

 そういうわけで、本作は物語の「流れ」をとてもうまく描けている作品だと思いました。

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