川辺十貌の一会
猫煮
川辺十貌の一会
蒲の穂を 毟っては 精霊流しにも 会えぬ人の 影に被せ
竿先の 揺れたと見ては 飛び起きて 釣りたる龍は 夢にのみおり
照り返す 川面眩しき 君の声 ラムネの泡に 溶かして飲めり
水切りの 勘所よと 石選ぶ 父親の背を 見もせぬ男子(おのこ)
ザンザブリ トプントンタン ザバアケホ キャハと笑った手に ガラス片
崖の上 木の上の巣の 上の雛 頭の上の 風の夢見る
砂糖塩 せうゆに味噌の 揃いたる バーベキューでは 素はみせじまい
水音に 紛れて聞こゆ 声の主 笑う姿は 隣にあらじ
川石の 宿はカエルが 一人寝と 耐える涙の 湿らせている
水たまり 取り残された ドジョウにも 干上がるまでの 命ねたまし
川辺十貌の一会 猫煮 @neko_soup1732
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます