概要
口約束でもその契りは交わされる
これは昔の話。
とある村では、火山の噴火を鎮める為に贄を出すという風習があると言う。その山を鎮める為に、しずという少女は贄として選ばれる。彼女が火山へ行く道へ運ばれ、火山の元に向かおうとした。その時、男に止められる。自身の胸の内にある穴を埋めたくて死にたい彼女に、彼は契約を持ちかける。
「我が妻になれ。役立てば死なせてやる」と。
胸の内の穴を埋める為、しずは紀 千菊の妻となる。
口約束といえどそれは間違いなく契りでもあった。
※三万文字ちょっとの短いお話です。
とある村では、火山の噴火を鎮める為に贄を出すという風習があると言う。その山を鎮める為に、しずという少女は贄として選ばれる。彼女が火山へ行く道へ運ばれ、火山の元に向かおうとした。その時、男に止められる。自身の胸の内にある穴を埋めたくて死にたい彼女に、彼は契約を持ちかける。
「我が妻になれ。役立てば死なせてやる」と。
胸の内の穴を埋める為、しずは紀 千菊の妻となる。
口約束といえどそれは間違いなく契りでもあった。
※三万文字ちょっとの短いお話です。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!胸に穴が空いている贄の少女と巨躯の男との契約婚
しずは両親を家事で亡くし、ぽっかりと胸に穴があいていた。
噴火のたびにお山様に贄になる。しずも選ばれてお山様の贄になるために行くが、そこに巨躯な紀千菊という男が現れて、自分の契約婚のつまになれば、役目を果たしたら死なせてくれると持ちかけられて――
しずちゃんにぽっかり空いた穴がなんなのか、読み進めるうちにわかってきます。それはとても切ない。
そんなしずちゃんを、言葉はちょっとだけ乱暴かもしれないけど、千菊さまは支えてくれます。
まずは腹ごしらえ。お料理も上手です。
千菊さまにも、悲しい過去があって、しずはそれを知ることになっていきます。
ふたりの心の交流がとても優しく描かれています。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「死にたい」贄となる少女と「生きろ」という巨躯の男の邂逅
<1・2を読んで>
噴火を繰り返す「お山様」に贄として捧げられる少女・しず。重苦しい宿命と、幼い頃に失った両親の記憶。その「穴」を埋めるために死を選ぶという決意。そこに現れるのは、村人とは異質の大きな男。圧倒的な存在感をまといながらも、彼は生け贄の慣習に疑問を投げかけ、しずに食事を与える。
しずが雑炊を口にしてしまう場面の
「贄や死ぬ覚悟は、空腹と美味しいものの前で粉々に砕け散ってしまった。」
死を望む少女の意思の脆さを露わにし、同時に人間らしい欲求が生の側へと彼女を引き戻す瞬間を鮮やかに映す。悲壮な物語に、生々しいリアリティを与える。
素直で読みやすく、しずの幼さと決意の危うさを同時…続きを読む