「うるせえ。静かにしてろ」

 うわ、パンクス爆誕! いいですねえ。踊りが好きで好きで親が死のうが泣き虫の変人扱いされようが踊り続ける「あの子」もまごうことなきパンクスだし、それを見て魂を震わせ「うるせえ。静かにしてろ」と外野の声を一喝して、今まで自分自身を絡め取っていた自己改善という宗教をかなぐり捨てて、輸入家具なんか盗まれようが知ったことかと走り出す主人公もパンクスだ。世の中なんて舗装道路だらけ。誰もがこうしたらいい、ああしたらいいとお手本を示し、皆で行儀良く行列して歩く。でも少しでも列を外れると、そっちじゃないよと丁寧な諭しが飛んでくる。「うるせえ。静かにしてろ」。まさにこの言葉一つ胸に、自分の足で道路を外れて荒野へ走り出す。一人で。すんばらしく痛快。「ていねいな暮らし」なんてクソ食らえ。