庭は小さな宇宙——夏の命が、ここに息づく。

作者さまの『夏の庭』で、植物、昆虫、天候が織りなす、季節の物語です。

鹿の子百合の斑点に始まり、ふわふわのコキア、飛び交うスズメバチ、雨に溢れそうなメダカ鉢、育ちすぎた胡瓜、柑橘の葉を食べるアゲハの幼虫まで——観察と感情が絶妙に混ざり合っています。

植物の成長に驚き、虫の命に優しさを向け、日差しや雨を観察する視線が、短歌の中に息づいています。 そして、最後のハツユキカズラの蔓延り方に驚く一首で、庭の生命力と人間の感嘆がユーモラスに結ばれ、読後に笑みがこぼれます。

この作品は、庭を持つ人にも、持たない人にも、「こんな庭があったら楽しいな」と思わせてくれる、夏の小宇宙。
短歌の中に、季節の手ざわりと暮らしの温度が詰まっています。

その他のおすすめレビュー

柊野有@ひいらぎさんの他のおすすめレビュー1,541