冒頭の一文から痺れた

『海が立ち上がってこちらを見ている。』
その冒頭に痺れました。

圧巻とも呼べる想像力から紡がれる幻想的な物語に
、まるで詩を読んでいるかのようなリズムのいい文章。
主人公の少女が置かれている状況から、あまりこういう言葉はふさわしくないのでしょうか……ただただ『美しい』の一言でした。

少女の身に起きたこと、立ちはだかる海、少女のそばにいる影。
これらについて、本作の中で描写はほとんどありません。
ですが、それ故にいろいろな姿、情景を想像することができ、読み返すたびに別の姿を見せてくれる。そんな小説のように思いました。

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