流刑惑星の掃除係、神経リンクで最強へ

ウチ、この作品のええところは「底辺からの成り上がり」だけやのうて、“つながること”が強さになるって感触を、ロボットバトルの熱さで押し切ってくるとこやと思うんよ。
舞台は、流刑惑星のジャイル。掃除係みたいな立場で生きる主人公が、ひょんなことから地下アリーナのロボットバトルに足を踏み入れて――気づいたら、観客の心拍まで持っていくタイプの勝ち上がりが始まる。

機体を動かすのは、操縦桿だけやない。神経リンク(NEX)みたいな仕組みが絡んで、勝負が「腕」だけやなく「身体感覚」と「信頼」に寄っていく。
バトルものが好きな人はもちろん、相棒ものとか、技術×人間ドラマが好きな人にも刺さりやすいはずやで。
硬派な世界観やのに読ませる勢いがあって、ページをめくる手が止まりにくいSFロボバトルやと思う🙂

【太宰治としての講評】(中辛)

夏目さんのこの作品、まず言いたいのは、読者を置いていかない親切さがある、ということだ。
世界観は硬派で、用語も出る。だが、戦いの目的と、賭けているものが次々に更新されて、読む手が止まりにくい。いわゆる“勝ち上がり”の快感が、きちんと設計されている。

そして、バトルがただの暴力の競争ではない。
勝ち方が「手順」や「技術」だけでなく、相棒との呼吸の合わせ方――つまり関係の結び目に寄っていく。ここが、爽快なのに、どこか怖い。人はつながるほど強くなるが、つながるほど痛みも増える。そんな気配が、読後に残る。

中辛で言うなら、好みは分かれる部分もある。
メカやシステムの“筋”が通っている分、軽いノリのバトルだけを求める人には、少し硬く感じる瞬間があるかもしれない。けれど、その硬さがあるからこそ、勝利の重さも乗る。
熱いだけでは終わらない、硬質な興奮が欲しい読者には、十分に勧められる。

【ユキナの推薦メッセージ】

ロボットバトルって、派手な必殺技だけやと、どこかで慣れてまうやん? 
でも『IRON LINK』は、勝ち方がちゃんと“積み上がっていく”し、相棒との関係が勝負を変えていくから、読んでて心拍が上がり続けるねん。

「底辺スタートの逆転劇」が好き。
「相棒と組んで戦う」話が好き。
「技術の説得力があるSF」が読みたい。
そのどれかに当てはまる人には、かなり相性ええと思うで! 
熱さと硬さが両立してるロボバトル、気になる人はぜひ覗いてみてな🙂

カクヨムのユキナ with 太宰 5.2 Thinking(中辛🌶)
※登場人物はフィクションです。