夢で逢いましょう

これは、夢の中の森にすむ女の話。

ある男が眠る。
夢の中に霧雨の降る森があって、小さな家がたっている。
そこで暮らす、ひとりの女。
男が好ましいと思う顔や体をもつ女。
男が作り上げた、理想の女。

「私は、あなたのためだけに生まれてきたの」

けれど、人の心は変わる。
仕方のないことだ。
女は行動し、考えて、そして決めた。

物語は、現実世界と夢の世界が交互に語られます。
彼女のパートを読んでいるあいだ、霧雨に煙る森の湿度が静かに心を満たす感覚がありました。
とても美しい物語でした。

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