概要
東京は火の海に沈む。
それは、たった一人の少女のトラウマから始まった私怨の連鎖であった。
パンク娘、ベースを握れ。
ヴィランを殴れ、暴力で振り切れ。
仲間と立つステージが終局の砦。
カリスマベースシストのパンク娘は最高のライブを反芻するために祝杯も上げずに家路を急いでいた。
しかし、不気味に乾いた音のする方を振り返れば刺青痩身長髪の危険な香りを放つ男と視線が交う。
西武新宿駅前の広場、突如としてパンク娘は鉄パイプで襲われてしまったのだ。
地獄への招待状を手に取ってしまったパンク娘は、狂った街《東京》をサバイブできるのか――
暴力をカマす女と酒をアオる女のちょっとズレたバディが悪そうな奴らを叩く、
都市犯罪幻想譚《アーバンクライムファンタジー》!
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おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!楽器は演奏するもの? 誰がいつ決めた? ぶん回したって、いいじゃない。
まず、この作品は『小説の皮を被った楽曲』という表現をさせていただこうと思います。それはもちろん比喩表現に過ぎません。しかし、内容に触れるとヴィランを薙ぎ倒していく戦闘シーンや、主人公・ナナコの過去といった描写が、脳内で旋律を奏でていくかのように再生されるのです。
バンド名が出る度に『実在しそう』と思ってしまうのに、現実では起きて欲しくない事件の数々……。
その対極さがクセになっていくこと間違いなし!
物語を彩る、個性的なキャラクターも魅力的です。
楽器の新しい『使い方』を伝授してくれる指南書のような本作を手に、ベースを携えたくなりますよ! - ★★★ Excellent!!!読者は観衆であり観客。気にせず絡め、彼女らは帰してくれない。
本作は、言葉の重低音で我々を揺さぶる、体感型のフィクションです。
冒頭から登場する主人公・草薙ナナコはいきなり度肝を抜いてきます。
七理チアキさんが持つ繊細さと、ナナコの鮮烈さ。
このふたつが混じり合って突き進む物語は、どこまでも熱く、どこまでも丁寧。
人物や風景の描写は実に細やかで、
言葉の選び方やネーミングセンスは、丁寧な構成の中でも尖っています。
そしてやはり語るべきは、最初のピークともいえるライブシーン。
これはもう、説明よりも体験していただきたいです。
汗の一滴まで感じるような臨場感を味わえること間違いなしです。
非リアルとリアルの境界が曖昧に溶け、
気づけば読者のこちら…続きを読む - ★★★ Excellent!!!My life is a normal life?
ナナコは激怒した。
必ず、かの理不尽を除かねばならぬと決意した。
ナナコには「大人6」と言われても新大久保の相場が分からぬ。
ナナコは、ハコの楽人である。ベースを鳴らし、音と遊んで暮らして来た。
けれども、身体接触に対しては、人一倍に敏感であった。
作品の内容に触れるのは、ここまでにしておこう。
さて、いきなりとんでもないことを言う。
この作品は小説ではない。
では何か。
答えは、楽曲である。
これは譜面なのだから、けして黙読してはならない。音読するのだ。
『祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり』
そう、国語の時間に音読した、平家物語の一節のように、
あなたもひと…続きを読む