第4話そして未来への架け橋

虹と二人、そして未来への架け橋


雨が止み、空に現れた虹。まるで、先ほどの雨が嘘だったかのように、鮮やかな七色のアーチが空を横切っていた。


「ほら、虹?うわ、きれい!」


私は思わず、彼の腕を掴んで空を指差した。雨に濡れた木々の葉が、虹の光を浴びてキラキラと輝いている。


「本当だ、きれいだな。」


彼もまた、満足げな笑顔で空を見上げる。


「二人をつなぐ架け橋だね!」


私がそう言うと、彼は私の肩を優しく抱き寄せ、さらに強く抱きしめた。


「そうだね。僕たちを、もっともっと強く、つないでくれる架け橋さ。」


彼の言葉に、私の心は温かいもので満たされた。先ほどまで、私を悩ませていた「雨女」であることへのコンプレックスや、雨の日の気怠さなんて、もうどこにも見当たらない。


虹の光が、私たち二人を優しく包み込む。それは、まるで祝福の光のようだった。


「ねぇ、この虹、ずっと消えないかな?」


私の呟きに、彼は優しく微笑んだ。


「消えないさ。僕たちの心の中に、ずっと、いつまでも。」


彼の言葉に、私は強く頷いた。雨上がりの空に架かる虹は、私たちの愛の証であり、これから二人で歩んでいく未来への、確かな架け橋だと信じていた。


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『雨女と傘一本』 志乃原七海 @09093495732p

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