概要
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- ★★★ Excellent!!!おいしそうな炒飯、うつくしい向日葵畑、タイヤ跡のついた絵本
景色がゆらめくくらい暑い夏の日、幼い息子さんの提案により炒飯なぞというこってり料理を食べにゆくこととなった主人公は、炒飯を求めて古臭い店構えのラーメン屋を訪れるが……。
暑さや向日葵の痛さなど、
読むとノスタルジーな夏の感触がよみがえります。
最初は微笑ましい親子の心温まるお話だと思いこんでいました。息子を見つめる母親のまなざしが、とても優しくて魅力的なのです。
しかし読み進めるうちに、主人公をとりまく環境に夏色の不穏な影が差し始め、こちらも不安な気持ちにさせられていき、もしかして怖いお話なのやもと思いつつスクロールしていき……最後にあふれた感情はやるせなさでした。
やるせないけれども夏…続きを読む - ★★★ Excellent!!!チャーハンを食べるたびに、私はこの作品を思い出すことになるだろう
読み終えた後、なんて恐ろしい作品なのだろう、とまず思いました。
この作品、最初から最後までチャーハンがたくさん出てくるので、チャーハンを中心とした物語だと言えると思うのですが、それなのになぜここまで重厚で胸を打つ作品に仕上げられるのか……。
あと、文章力が凄まじくて、情景がすごく鮮明に浮かんでくるんですよ。
この作者は天才だと思います。
いやはや、恐ろしい作家だ……。
さて、ここまでだと、ただの飯テロ作品だと思われかねないので、もう少しだけ詳しくこの物語についてお話ししましょう。
息子にラーメン屋さんのチャーハンを食べに行こうと言われた主人公は、ある個人店に入る……とい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!朱雀のチャーハン
人には、心に残る店があると思う。
わたしの場合は、
『朱雀(しゅじゃく)』なのだ。
家から歩いていける距離にある町中華。
店に入ると、テーブル席とカウンター。
奥に座敷席が2つ。
座敷席には大きな丸テーブル。
真っ赤な丸テーブルは、テーブルの上に回転する丸い回転台がついていた。
子どものとき、その回転台の料理をクルクルと意味もなく回し、怒られた覚えがある。
その店のチャーハン。
ラードでギトギト。
味の染みたチャーシュー、卵、長ネギだけのシンプルな構成。
チャーハンについてくる醤油スープは、油球が浮いて、塩っぱい。
わたしがチャーハンを食べるとき、
このチャーハンが基本となる。
朱雀よ…続きを読む