概要
そう願って闇に蝕まれた「鬼の世」へお忍びで潜入した「秩序の神」奏太(そうた)。
しかし――彼を守る眷属(部下)たちの献身が、あまりにも重すぎた!
「主はひ弱だ。私の目の届く範囲から出るな」(護衛・亘)
「敵は社会的に抹殺します。教育的指導として」(商会長・巽)
「我が君、お説教です。五時間コースで」(妖界の側近・燐鳳)
神様の威厳ゼロ!?
最強の従者たちに囲まれ、今日も奏太は鳥籠の中(物理)。
――けれど、その過保護さは、かつて世界のために犠牲となった奏太を、二度と失わないための鎖だった。
世界を救うために人であることを捨て、不老不死の宿命を背負った神様とその眷属。その逆鱗に触れた愚か者たちへ送る、徹底的なる断罪と救済の物
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!切なさと激重感情で情緒が狂う。涙無しでは語れない和風主従ファンタジー!
まず皆さんに最初にお伝えしたいことは、『絶対に前作から読んで欲しい!』ということです。
こちらの作品は事前情報がなくても、十分に楽しむことができるように設計されています。
ですが、前作に当たる『結界守護者』をお読みになったうえで、今作を読み込んでいくと、解像度が爆上がりするのです!
例えば今作で、既に故人になっているキャラクターたち。
その彼らが、どんな"想い"で主人公・奏太を見守っていたのか。
どんな"思い"で残りの人生を歩んできたのか。
痛いほどに伝わってくる感情に、常に情緒が狂わされっぱなしです。
下手をすれば名前を見るだけで涙が出そうになるので、一人の…続きを読む - ★★★ Excellent!!!鬼の世で祓う青年と、彼を守る者たちが紡ぐ──静かで痛い光の物語
闇が音もなく滲み出す鬼の世で
ひとり静かに祓いを担う青年──奏太
彼の優しさはあまりに細やかで
時に世界の残酷さを
そのまま抱きしめてしまうほど⋯⋯
地下闘技場に満ちる怨嗟
割れたガラス玉に潜む名もなき気配
そして彼を囲む者たち──
過保護なほど忠実な護衛たちは
光のない場所でこそ際立つ
〝温度〟を物語に与えていく。
本作は
闇と救いのあいだを
そっと往復するような物語です。
憎しみが渦巻く場所にも
微かな光を差し込む手があり──
その光が、また誰かの生を繋ぐ。
静かに広がる不穏と
人を想う気持ちの強さ。
この物語は
絶望の底に小さな灯りを落とすように
美しく、痛く
読み手を惹…続きを読む - ★★★ Excellent!!!鬼と人妖の影が織りなす、奇妙で妖しき商会の日常と闇の蠢き
<第10話まででのレビューです>
茶色いオーバーオールに身を包んだ青年が、厚い曇天の下で伸びをする描写から、すでに世界観に引き込まれる。
太陽の光さえ差さぬ鬼の都。
視点の細かい切り替え、会話の間の取り方、登場人物それぞれの個性の立て方など、文章構造の巧みさが光る。
次第に明らかになる世界の闇の存在や教会間の権力関係が丁寧に描かれ、日常の延長線上に潜む異質な恐怖がじわじわと伝わってきます。
奏太と巽、汐、椿といった人物のやり取りは、複雑な社会構造や法律、教会の権限を背景にしているにもかかわらず、会話は自然で生々しい。
キャラクターの心理も繊細に表現されていて、緊迫感と日常感が同時に描き出さ…続きを読む