真城さんのこちらの詩集を読ませていただいたとき、一番に思いついた言葉が『フラクタル』でした。どの部分がフラクタル?・・・57577という短歌の枠を用いながらも、ひとつひとつの枝葉=短歌がきらきらとして見えます。雪の結晶の枝がきれいに開くさまや、ロマネスコの枝がくるくると宇宙的な巻きを見せるような、そんな感覚。どの短歌を選んでも、それぞれの色の美しさが光って見える。それぞれの色に、それぞれの物語がある。今日選んだ、あなたの色の物語をお楽しみください。
空の色、風景の色、そして心の色。それらさまざまな色合いをもって情景を描き出す情緒あふれる短歌集。どの首においても細やかな表現にグッとその世界観へと惹き込まれます。色とは人それぞれに、あるいはそのときの心の持ちようで感じ方の違うもの。一首、一首、短歌を捲るたびにその色を思い浮かべ、作者と自分との感じ方の違いを想像できることも一興かも。どうぞカラフルな短歌の世界をお愉しみくださいませ。
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