娘と共に蛍を見る母親の視点から詠む連作短歌。個人的に気に入ったのは、「いるようで いないことにも慣れながら 蛍に向けて 祖母の名呼ぶ」という句。古来から、日本人は蛍を死者の霊魂と同一視してきた歴史があり、娘と共に蛍を見るのは亡き祖母の霊を慰めることでもあるわけです。夜空を舞う蛍が娘を見守っているようにも見えます。夏、お盆に亡き人を偲ぶ心に沁みる句です。
母目線による、娘との蛍の記憶。10首短歌集作者様の優しい紡ぎが最高です♪浄化パワーばんばんでございますよっ。蛍って、儚い印象が強いですが⋯⋯誰と共に見るかで、印象が変わってくるのだなと読了後はしみじみ浸れます。ほたるこい──より「また会いに来るからね」を届けたくなります
蛍の光が、浮かび上がらせる、大切なものたちの記憶。娘の笑顔に、祖母のぬくもりがよみがえる夜。見守っているつもりで、見守られている――そんな気づき。ひとつひとつの短歌が、夏の夜に浮かぶ蛍のように淡く、切ない。でも、消えない。心に残る、優しい明かり。この十首に、あなたの夏の記憶も重なるかもしれません。