概要
世界をお前にくれてやる
神・ランプの魔人・悪魔……さまざまな呼び名をもつ男・峰岸の誘いにのり、浪費癖の貧乏学生・信田は、自分の『世界』を売るのと引き換えに、金持ちになるという願いを叶えてもらう。それから十年……予定よりも早く峰岸が『世界』を奪いに来たのだった。
柴田 恭太朗さん企画『【三題噺 #98】「世界」「酒」「紙」』応募作(すべりこみセーフ)
柴田 恭太朗さん企画『【三題噺 #98】「世界」「酒」「紙」』応募作(すべりこみセーフ)
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!ただのホラーじゃないよ、心地よいエンディングに涙するかも(言い過ぎ)
サブタイトル通りの良きエンディングで、オープニングの不穏な感じを吹き飛ばす爽やかな読後感があります。
登場する悪魔のキャラが強烈です。
吉本新喜劇に全身グリーンのスーツを着た(靴も靴下もグリーン)芸人が出てきますが、彼を思い起こさせるキャラです。
そして、主人公は騙されて悪魔と契約してしまいます。
お金に不自由した人生を送っていた彼は、金を望みますが‥‥。
各話の長めのサブタイトルが中身をそのまま表してます。事前に内容が分かってしまっても大丈夫。読めば楽しめます。
そして洒落たエンディングには誰しもホッとすることでしょう。 - ★★★ Excellent!!!ホラーファンが喜ぶネタ満載! モヒカン頭の悪魔との契約。その結末は?
短編ながら、ものすごい広がりの感じられる作品でした。
主人公の前に、「峰岸」と名乗る存在が現れる。モヒカン頭でオネエ口調で喋る峰岸は、人間ではなく「悪魔」や「ランプの魔神」などと呼ばれる存在。
かつて願いを叶えた代償に、峰岸は「世界」を渡すようにと迫ってくる。
本作はホラーファンがニヤリとするような趣向が随所にちりばめられていました。
まず、峰岸を召喚するキーアイテムとなっていたものが、「パズル」だったという点。これは「ヘルレイザー」の「ルマルシャンの箱」だな、とホラー好きの心をまずくすぐってきます。
そして峰岸が「魂」ではなく「世界」を要求してくる感じ。ゲーテの「フ…続きを読む