何気ない日常の尊さを教えてくれる作品
- ★★★ Excellent!!!
自分語りのようになってしまい恐縮ですが、現在の私も初期の主人公のように「人生は、退屈な日々をただおくるだけでつまらない」と感じはじめていました。おそらく、主人公や私のような人は少なくないと思います。
ですがこの作品は、そういった特別ではない何気ない日々の貴重さ、そして今生きていることの美しさを描いてくれています。
生きているなら、何かやっておこう。そう思わせてくれるような切ない物語。
終わってしまうのは悲しいですが、それと同時にクライマックスが待ちきれません。
追記 ※ここからネタバレ注意
あとがきまで読了致しました。
なんというか、もう、上手く言葉にできない切なさが心の中で脈打っています。
もしかしたらこの物語は完全なハッピーエンドでは無かったかもしれない。けれど、そんなのどうだっていい。ハッピーエンドとか、何もかも夢が叶って最高の結末とか、そういうのは、いいんです。
この物語の主人公・蓮は、少なくとも幸せに浸りながら全てを終えていったと感じています。
これまで無意味に思えていた自分の人生に、価値を見出し、やりたい事をやり切り、自分の本心と向き合って、悔いのない終わりを迎えたと。
蓮の選択が正しかったのか、そうでなかったのか……そういった議論はいくらでもできます。ですが私は、少なくとも、間違いではなかったと信じています。
最後に、作者様。心に響く最高の作品を届けてくださりありがとうございます。そして連載お疲れ様でした。
私はまだまだ「咲いていない花」ですが、これから美しく咲き誇れるように精進します。
改めて、ありがとうございました。ぜひ書籍として、自室に置いておきたいな……。