若者が持つ夢、歳を経てそれにたどり着けなくなるようなもどかしさ、そして、さらに歳を重ねると、すべてを突き抜けて、いつのまにか、見上げていた夢を見下ろしていたり。「夢を見させてくれてありがとう」 自分が何の夢もかなえられなくても、その夢を見た自分がいたことに感謝できるようになっていくような気がしました。小粋な小品。
夢に敗れた主人公が帰郷し、かつて見た灯台の光と再会する――その静かな時間の流れが、とても美しく心に残ります。派手さはないけれど、人生の岐路に寄り添ってくれるような、優しい余韻のある短編でした。「光になれなくても、照らすことはできる」そんな言葉が自然と浮かんできました。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(117文字)
もっと見る