ちょっと変わった青春小説? ……いや、何か、何かがおかしいゾ!!!
- ★★★ Excellent!!!
会話のセンスなんかが秀逸で、「ここにしかないクオリティ」を存分に味わえる作品です。
主人公の内藤こと「ナイナイ」は、友達の記憶というと、なぜか「ヤーコフ」のことばかりになっていると反芻する。
ヤーコフとの「とりとめのない話」をした記憶がそこから紐解かれて行くが、読者は読み進める中で「ん? ……これ、は?」と幻惑されていくことになります。
「将来の夢はケーキ屋さん」とナイナイが言えば、ヤーコフは「ケーキ屋さんの窓になりたい」と返してくる。
……ヤバい! この子、電波だ!!!
この会話の雰囲気、90年代の初代PSのゲームでたまに見かけた、「電波を受信してる系の少女」を彷彿とさせられます。
「serial experiments lain」、「TIZ ‐tokyo insect zoo‐」など、会話に電波なものが登場する作品の数々。
ライトノベルなら「ブギーポップは笑わない」なんかにも通ずるセンスがあります。
果たして、このヤーコフの正体は。ナイナイとヤーコフの会話は、一体どんな意味を持つものなのか。
出てくる会話の一つ一つも面白く、「ちょっと変わった青春小説」と思ってアハハと読み進められること間違いなし。
散りばめられた伏線と、ラストで全てを呑みこむような真実。
かつてない読書体験が味わえる作品です。