概要
──糸葉って名前、素敵だよね。響きが好きなんだ。
「糸葉《いとは》さん、消しゴムの使い方、きれいだね」
それだけで胸が少しだけ熱くなったあの日。名前を呼ばれることがこんなに嬉しいものだと、初めて知った気がした。
あたたかだった私を呼ぶ声。一緒にいると心が落ち着いた。それは陽だまりの中、微睡むような心地よさに似ている。無理に話さなくてもよくて、沈黙も苦しくなかった。ただ隣にいるだけで、「大丈夫」と思える安心感。そうこれは──
手遅れな私たちの、手遅れな恋。
それだけで胸が少しだけ熱くなったあの日。名前を呼ばれることがこんなに嬉しいものだと、初めて知った気がした。
あたたかだった私を呼ぶ声。一緒にいると心が落ち着いた。それは陽だまりの中、微睡むような心地よさに似ている。無理に話さなくてもよくて、沈黙も苦しくなかった。ただ隣にいるだけで、「大丈夫」と思える安心感。そうこれは──
手遅れな私たちの、手遅れな恋。
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- ★★★ Excellent!!!こっそりと仕掛けられた「W」の罠。その小さな子音に気づけるかが鍵
気づいた時には、「ておくれ」だったよね? と読んだ後に誰かに問いかけたくなりました。
糸葉は大好きだった伊吹が変わってしまったことに悲しみを覚える。
伊吹は家族と一緒に「青森」へ出かけ、その先で災厄に襲われてしまった。
家族を失ったことで人が変わったようになってしまった伊吹は、糸葉の将来だとか努力まで軽く否定するような人間になってしまう。
そして、彼とのそんなやり取りを続ける内に……。
「変わってしまった彼」に対して悲しみを覚える話かと思ったら、話はまさかのとんでもない方向に。
重い心情を綴った話だとして感情移入させた先で、「思わぬ罠」にかけて足元をすくってくる感じ。…続きを読む