概要
彼女を待つ匂いは、いつも変わらない。
地元の田舎で農業に従事している弘樹は、高校卒業後すぐに都会へと出て行った幼馴染の美咲が返ってくるという知らせを受けて、夜のロータリーで最終電車を待つのだが――
・この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称などは架空であり、実在のものとは関係ありません。
・この小説はエブリスタ様にも投稿させて頂いています。
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!めぐる
私たちの生活には、たいてい、においが付きまとう。いや、もちろん、においだけでなく視・聴・嗅・味・触の五つの感覚のどれもが主張しようとしているのだけれど。視覚と聴覚は現代人が社会生活するうえで最も頼りにしている感覚だろう。それに比べると嗅覚は地味だ。花粉症で鼻が詰まっていても、生活に著しく支障をきたすことはない。だからこそ、においは、生活のゆとりや気持ちの切り替えといった情緒的な側面に強く結びつけるのかもしれない。
久しぶりに故郷に降り立った美咲を出迎えてくれたのは、田んぼにまかれた肥やしのにおい。肥やしのもとは動物のウンコだ。食べたものを自分の体に取り入れ、不要なものを出す。出したものは栄…続きを読む