概要
それを誰にも知られず引き受けているのが、女子高校生の色葉と、彼女の婚約者である玲央だった。
再会は、必ずしも奇跡になるとは限らない。
それでも、会わずには前に進めない人もいる。
依頼者は、ペットを失った人、家族を失った人、恋人を失った人――大切な誰かと一緒に、その先の人生を生きられなかった人たち。
やがて二人は、時間も生死をも越える、いくつもの物語と向き合うことになる。
再現された存在は、本当にその人なのか。
それとも、残された側の願いが見せている幻なのか。
これは、「失った誰か」ともう一度向き合う人たちが、自分の時間を取り戻そうとする、連作SFヒューマンドラマ。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!“さよなら”の、その先へ
AIと情動ログの発達により、亡くなった人の記憶や性格をほぼ完璧に再現し、機械の体に埋め込んで「よみがえらせる」。
大切な人との続きの時間は誰しも願うものですが、主人公たちに舞い込む依頼の中には、歪な願いも含まれていて…。
“さよなら”の続きを望んだ様々な登場人物の複雑な人間模様には、物語の質として驚かされるとともに、ハッとさせられるやりとりがふんだんに散りばめられています。
個人的な感想ではありますが、ある日突然来てしまう離別にちゃんと“さよなら”ができなかった人たちが、主人公たちの手を借りてちゃんとお別れをする物語、という解釈もできるストーリー構成で、涙なしには読めませんでした。
愛…続きを読む - ★★★ Excellent!!!多くの方に読んでもらいたい、おすすめの作品です!
AI構築アルゴリズム部門、世界大会で一位の玖城 色葉。
そしてハードウェアユニットを設計する、色葉の婚約者柊玲央。
玲央の作った“器”に、色葉のAIアルゴリズムが注ぐことで、亡くなった大切な存在を記憶のままに甦らせる。
二人はそんな「よみがえらせ屋」だった。
人の想いに寄り添った、素敵なストーリーです。
物語全体を通して人への優しさと愛がある、とても温かい物語になっています。
また心地良い読後感で、読み終わった後はいつも癒されます。
主要キャラはひとクセふたクセありながら誰も愛おしく、読むごとにはまり込んでしまいます!
非常におすすめの一作で、ぜひ皆様にも読んでいただきたいです! - ★★★ Excellent!!!「偽物」と「本物」の境目
この物語は「偽物」と「本物」の境目についての問いに対してとても誠実な答えを出していました。
特に、玲央が序盤で色葉に打ち明けた「性別という線引きが苦手」という告白の扱いです。
私はこれを額面通りに受け取り、二人の関係を「秘密を共有する親友同士」として読み進めていました。
ところが中盤、玲央の独白によって、あれがOO(ネタバレ防止)を回避するための嘘だったと明かされます。
実際には、彼はOO(ネタバレ防止)を愛している。
この反転を知ったとき、それまでの彼の言動が場所を見ているような感じがしました。
「僕は色葉が幸せなら、それでいいんだよ」
あの爽やかな笑顔の裏にあったものを、私…続きを読む - ★★★ Excellent!!!もうすぐ来る未来 疑似的不老不死ビジネス
このお話はAIで亡き存在をよみがえらせるビジネスを描きつつ、技術そのものよりも、人間の喪失と埋められない寂しさに真正面から向き合う物語です。AIによる疑似人格。もうほぼ実現しているのかもしれません。蘇った疑似AIが肉親の手を取り「ただいま」と告げる再会シーンは、偽物と知っているのに、胸の奥がじんと温かくなります。ですが、それを悪用しようとする人もいるわけで… この物語は、「SF×AI×家族ドラマ×サスペンス」としての熱量が強いです。エピソードがどんどん広がっていきます。みなさまもぜひ、この実現の夜明けの技術について、知見を深めてみませんか?