“狂竜病”に翻弄される、悪役姫と護衛の運命譚
- ★★★ Excellent!!!
星“ステラ”という輝かしい名をもつ姫が、なぜ、悪姫として語られることになるのかーー冒頭に惹きつけられて、まずは2章まで拝読しました。
主人公格はダンと姫の2人ですが。今回は、私が感情移入して読んだ、姫の視点からレビューを書かせていただきます。
勤勉な反面、奔放なステラ姫。それに振り回される、お人よしな護衛ダン。2人の仲間以上恋愛未満な関係性はもちろん、彼らを取り巻く仲間たちのやり取りも温かくて、すぐにアトラス国の状況に溶け込めました。
それが、国の守護竜の狂化によって崩れていく様には、悲しみとともに息を呑みました。
ただ、シェンウィーが残していったのは絶望だけではなくて……この先はぜひ、ご自身の目でお確かめください。
シェンウィー狂化の一件から、国々に災厄をもたらす悪姫とされてしまうステラ姫。それでも、家族のような存在のダンとのやり取り(手配書とか研究とか)がコメディタッチで、道中暗くならずに読み進められます。
この物語は、ただ世界を歩くだけではありません。災禍に飲まれた人間の悲しみと希望までを描く、王道派の壮大ファンタジーです。
最後に、作者の久芳流様へ
まさに「こういうの探してました!」という素敵な物語をご紹介いただき、ありがとうございました。
はたして、姫とダンはシェンウィーを見つけ出せるのか……3人プラス1匹の旅路の先を楽しみにしています!