落ち着いた家族ドラマかと思いきや、二転三転、そして意外な結末へ……

 まさか、こういう展開になっていくとは!

 読み始めた段階では、どこか落ち着いた雰囲気の作品だという印象を受けました。
 中年世代の夫婦。その二人の家の隣に、新しく引っ越してきた人間が現れる。「変な人でないといい」と、妻は夫とそんなことを話す。

 その日から、何かが少しずつ変わって行く。

 家にあるものがどんどんなくなっていく。夫に聞くと、「断捨離」をしたと軽く言われる。
 でも、それはどんどんエスカレートしていって……

 一体、何が起こっている? 夫の身に起きた変化はなんなのか。
 次々と進む断捨離。そして、明らかになる真実。

 じわじわと不穏さが加速し、先が気になって仕方なくなりました。静かな家族ドラマのような雰囲気から、サスペンス性を帯び、そこからの更なる意外な展開へと。

 二転三転し、読者を予期せぬ場所へと連れて行ってくれる作品。様々な魅力が詰まっていて、短いながらも非常な満足感を与えてくれました。

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