妖精に恋をしたラグビー日本代表選手の葛藤

春樹と玄弥だからハルキゲニヤ、美しいタイトルだ。

片想い→告白→両想いまたは失恋。普通の男女の出会いはこうだ。
だが男同士(女同士でも)の場合、片想いから告白までに逡巡、葛藤、不安、諦めなどによる壁が男女の場合よりも高く聳え立つ。

だからBL漫画や小説では告白まで8年とか10年とか掛かるものがある。10年目に相手が結婚して失恋とかいうパターンもある。勿論そこから別の恋が始まる設定だが。

BLの醍醐味はそこにある。告白して嫌われたらどうしよう、気持ち悪いとか思われたらどうしようという不安や葛藤に胸を焦がす登場人物に共感して、読む方も感情が激しく揺さぶられるから。

春樹と玄弥、BLだけどそこは気にせず、2人の葛藤やすれ違いの巧みな描写にキュンキュンしながら読んで欲しい。

男性作家による渾身のBL作品。ラグビーの日本代表である玄弥の試合の描写も真に迫るお勧めの作品です。

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