ティルナノーグの使者

　ベルリンの壁崩壊から始まった魔術戦争――錬鉄戦で両親と記憶を失った綾人はドイツから日本へ移り住んで暮らしていた。
　両親が実は戦死ではないと聞かされた帰り、綾人はカミラという少女と出会い、彼の父親である理人が錬鉄戦を停戦させた英雄であると伝えられる。同時に、ある取引によって錬鉄戦がまた始まろうとしていることを知り、綾人は戦争を止めるために彼女と行動を共にする。
　二人は一度捕まったものの、取引物である魔剣を無事に理人の戦友である薔薇十字団に預け一安心する。しかし敵が再取引を利用してもう一つの取引物である聖女を強引に奪還するかもしれないと危惧した二人は、それを阻止するため情報集めに乗り出す。
　情報屋から再取引の現場と時間を聞きタイムリミットが迫っていることを知った二人は、薔薇十字団と共に現…続きを読む