叙景詩

すべて素敵なんですが、１０話まで読んだ時点の私個人の感覚で選んだベストスリーは『躑躅』と『薔薇園』と『額紫陽花』ですね。

躑躅は可憐で、薔薇はまるでプライドの高いお姫様、額紫陽花は恥ずかしがり屋の淑女、そんなイメージを持ちました。

私の勝手な想像ですので、みなさんは読んだとき違う印象を持つかも。

興味を持った方は是非目を通すことをおススメします！

下品な事　生きてると　いっぱいあるけど

こういうの見たら　やっぱり　心がきれいになる

風景の中に自分がいて　そう思って　

上品でした。

最初は、
恋人にでも会いに行くのかなと思って読んでいると、
メコノシプスという青い花に逢いにいくのです。

メコノシプスはヒマラヤに咲く「幻の花」なので、
カーナビで迷って遭遇できるのかは分かりませんが、
日本でも一部の地域で咲いているようなので、
どこかの林の中で、
ひっそりと青々と咲いているのかもしれません。

「底知れぬ魅力」「神秘的」「恋の予感」「憩い」「謙遜」など、
美しく魅惑的な花ゆえ、花言葉も豊富です。

花の青さに包まれながら圧倒されていく感じが、
簡潔な言葉と的確な間合いで表現されていて、
胸を打つのです。

そのほかの詩も、
花にちなんだもので、
読みやすいけれども詩の鱗…続きを読む

美と儚さ、日常と詩情が見事に交差する短歌世界に、ただただ魅了されました！
第1話「花見」では、ことばの密度と響きが圧倒的で、自然の引力と人の想いが詩的に融合。
第2話「みかんの皮」は、生活の一場面がここまで豊かな象徴になるのかと驚かされました。
短歌を深く学ばせていただきました。素晴らしい作品を本当にありがとうございます！