不器用な主人公が教えてくれる“居場所”の見つけ方

 最初はよくある学園ラブコメかな、と思いながら読み進めたのですが、クラスの隅にいたはずの主人公の神谷霧斗が、偶然の「嘘告白」から物語の中心に巻き込まれていくうちに、気づけば霧斗の不器用さ、そしてリアルさに、いつの間にか心を掴まれていました。

 派手な逆転劇ではなく、人との関わりの中で少しずつ自分の居場所を見つけていく過程がとても丁寧で、「成長ってこういうことかも」と感じさせてくれます。白戸亜里愛をはじめ、登場する女子たちもそれぞれに弱さや事情を抱えていて、誰かを一方的に嫌いになれない描かれ方が印象的でした。

 にぎやかさの中にちゃんと温度がある物語です。自己肯定感に悩む人、青春ものが好きな人、ラブコメは好きだけど中身も欲しい人におすすめしたい作品です。

その他のおすすめレビュー

悠鬼よう子さんの他のおすすめレビュー1,237