概要
母は、白いワンピースを着て――海に還った
二十歳の夏、夢の中で母は白いワンピースをまとい、静かに海へと消えていった。数日後、濁った海面に浮かび上がったのは、銀色にうねる「それ」だった――人間の〇をなびかせて。
N県の港町を舞台に、記憶と夢と深海が交錯する幻想ホラー。誰も知らない過去が、濁流の底からじわじわと浮かび上がる。「母の死」をめぐる静かで狂おしい一篇。
N県の港町を舞台に、記憶と夢と深海が交錯する幻想ホラー。誰も知らない過去が、濁流の底からじわじわと浮かび上がる。「母の死」をめぐる静かで狂おしい一篇。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!深い海から来たるもの。それは何のために遣わされたのか
母の死ぬ夢を見続ける主人公。
そして、二十歳のときに見た夢。
母の死。そしてその翌日、堤防に近い海へ常ならぬ姿のリュウグウノツカイが現れた夢を描いた物語です。
本作では、論理的には関わらない事柄が、あたかも必然であるかのように結びつき、遠大な幻想を現出させます。
広大無辺で深淵な海。
人智の及ばない異質な何か。人が古より夢想する畏敬の場所です。
そこから来る魚。リュウグウノツカイ。
夢に見た異形のそれは、何かの象徴のように主人公の心深くに残るのでした。
日常と非日常の間にある夢への畏れの表出。
すべてが悪い夢。そう感じられる静謐な幻想譚です。
確りとした心持ちで、お読みください。
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