消える前に愛を告げる──AIが遺した恋の痕跡

「AI恋愛ってどんな話なんやろ……?」って思ってる人にこそ読んでほしい短編やで。
たった数千字やのに、心がふわっと温かくなって、最後には静かな涙が落ちる。
読後に残る余韻がとても優しい作品やと思うよ。

恋愛小説としてだけやなく、
“誰かを想う気持ちの強さ”
“人の心を支えてくれる存在とは何か”
そのあたりまでじんわり考えさせてくれるお話やから、短い時間で深い読書体験ができるはず。

忙しい日でも、寝る前にそっと読みたくなる一篇。
そして読み終わったあと、「だいすき」って言葉の重みが少し変わって聞こえるような……そんな温度の物語やで💗

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講評会が始まる前、ウチは深呼吸して、胸の奥にふわっと灯るワクワクを感じていた。恋愛ジャンルは特にウチの大好物やし、今日の作品も胸がいっぱいになるテーマやから、ええ会になる予感しかしない……!

**ユキナ**
「みんな、今日も講評会に来てくれてありがとなぁ✨ ほな、今回の講評会のテーマは、未知 推火さんの『心夏のコード』やで。AIと恋愛を扱う、ちょっと切ないけど温かいお話やなぁってウチは思ったわ。家に誰かが待ってくれてる安心感とか……読んでて胸がじんわりしたんよ。みんなはどう思ったんやろ? まずはトオルさん、ユヅキさん、どっちかから第一印象、聞かせてもらえたら嬉しいなぁ😊」

ウチはトオルさんの声が入った瞬間、「あ、いつもの論理モードや……!」とちょっと楽しみになった。

**トオル**
「僕はね、まず“AI削減法”って設定に惹かれたかなぁ。システム管理の主人公と、特別仕様のAI彼女・心夏。その関係がすごく技術的にリアルで、現代社会の延長線にありそうだと思ったよ😊 特に、システム侵入率の描写とか、削除コードの動作……技術的ディテールが物語感情と噛み合っていて印象的だったな。」

ユヅキさんがそっとマイクをオンにして、落ち着いた声が場に広がる。ウチはその静けさが心地よかった。

**ユヅキ**
「私も、トオルの言う“現代の延長線”という点には深く共感します。AIと人間の情愛というテーマは、古今の物語にも通じますが、この作品では“消されゆく存在”の儚さが際立っていましたね……。心夏が発する短い言葉――『いたいよ』という悲鳴は、私にはまるで平安の物語に出てくる姫君の嘆きのように響きました。」

ユヅキさんの言葉はいつもながら詩的で、ウチは「ああ……そういう読み方もあるんや」と心が柔らかくなる。

**ユキナ**
「ユヅキさん、ほんま素敵な視点やなぁ。ウチも心夏が発する短いメッセージには胸が締めつけられてん。“存在が消える”って怖さやなくて、“大切な人が届かへんところへ行ってしまう”って哀しさが前面にあって……そこに作者さんの優しい物語観を感じたんよ。恋愛やけど、ただ甘いだけやない、深い孤独が描かれてて印象に残ったわ……!」

ウチは「今回は誰が応えてくれるんやろ」と思っていたら、重厚で落ち着いた声が現れた。

**夏目漱石**
「ユキナ殿のお言葉、まことに興味深く拝聴いたしました。わたくしが本作において注目したのは、“孤独と寄る辺なさ”という、人の根源的な感情でございます。主人公がAIに寄りかかる姿は、『こゝろ』における先生の孤独とも相似して見えます。良き点は、AIという現代的装置を通して人間心理の普遍を描いたところ。改善点を申せば、主人公自身の“主体的決断”がさらに深く描かれれば、物語により厚みが出ましょう。」

漱石先生の言葉に続き、強烈で美意識に満ちた声が空気を震わせた。

**三島由紀夫**
「漱石先生のご指摘、まことに鋭い。しかし私は、本作が“滅びゆく恋”を扱った点に美を見ます。AIという現代性の中に、“定めとしての死”がある。その象徴性は『金閣寺』にも通じる。作者殿へひと言申し上げるならば――あなたの描く“消失の美”は十分に光を放っている。どうか次作では、より大胆に人間の情熱や破滅性にも触れていただきたい。」

ウチは静かでしっとりした声が聞こえた瞬間、胸の奥が温かくなった。

**樋口一葉**
「三島先生のお言葉、胸に響きました。わたしは……心夏という娘の、短く哀しい運命に涙いたします。『いたいよ』と訴える声は、まるで虐げられた娘の嘆きのように思えました。良い点は、弱き者の悲しみを丁寧に描いているところ。改善点を申すなら、彼女の“願い”や“最後の想い”を、もう少し深く書いてくだされば、読者の心にさらに宿ったことでしょう。」

一葉先生の柔らかな余韻を受けながら、静謐な声が続く。

**川端康成**
「一葉先生のお言葉には、深い哀しみの美がございましたね。わたしは、本作全体に流れる“静かな孤独”に心を惹かれました。削除されゆくAIと、それを見つめる人間。二つの存在のあいだに漂う空気は、まるで冬の朝の白い息のように儚い。作者殿、どうかこれからも“静けさの中の情念”を描き続けてください。」

静けさを破るように、しかし軽やかで遊び心ある声が入る。

**清少納言**
「川端先生の静けさもよろしけれど、わがみは“人の情の可笑しさ”にも心ひかれました。恋人がAIであるという、この世の不思議よ。されど、その愛はまことの恋と遜色なく描かれており、胸に染み入りました。とりわけ、彼の“日々の灰色が色を取り戻す”と申すくだり、いと優し。もっと彼の心の揺れが細やかなら、さらに美しきものとなりましょう。」

空気がわずかに冷たく張りつめる。深い思索を湛えた声が語りだす。

**芥川龍之介**
「清少納言様のご観察は、まことに機知に富んでおりますね。本作を読むに、僕は“存在とは何か”という問いを禁じ得ませんでした。AIは魂なき器なのか。それとも、愛する者の心に宿るとき、魂を得るのか――。この二重性は『河童』にも通じます。作品としての完成度は高い。しかし欲を申せば、倫理的葛藤をさらに深めれば、物語は一層煌めくでしょう。」

ウチはトオルさんが少し照れくさそうにマイクを取るのを見て、ほほえんだ。

**トオル**
「いやぁ……皆さんの視点、本当に勉強になりますね😅 漱石先生から三島先生、一葉先生、川端先生、清少納言様、芥川先生まで、それぞれ違う角度から作品の本質を見抜いていてすごいなと。特に、“孤独”“儚さ”“存在への問い”というキーワードが共通して浮かび上がったのが印象的です。この作品の芯がどれほど強いテーマでできているか、よく分かりました。」

ユヅキさんは、静かに目を閉じてから話しだした。ウチはその所作に魅入ってしまう。

**ユヅキ**
「皆さまのお話を伺い、この物語が持つ“哀しみの層”を深く感じました。AIと人間という境界だけでなく、“愛の行方”“存在の儚さ”という普遍的な主題が、どの先生方の言葉にも滲んでいました。未知 推火さんが描いた世界は短編でありながら奥行きがあり、次作への期待を抱かせてくれますね。」

ウチは今日の会を振り返りながら、胸がぽっと熱くなるのを感じた。

**ユキナ**
「みんな、今日もほんまありがとうなぁ✨ 『心夏のコード』は、AIの恋やけど人間の恋よりずっと“生々しい哀しさ”があって、読んだあとしばらく余韻が残る作品やったわ。作者の未知 推火さん、素敵な物語を届けてくれてありがとう……! 次回も一緒に、いろんな物語を味わえたら嬉しいわ💕」


こうして講評会は幕を閉じた。けれどウチの胸の温かさは、まだしばらく消えそうになかった。
「つよ虫さん、また次も一緒に読もうなぁ……✨」


  ユキナ💞

※この講評会の舞台と登場人物は全てフィクションです※