その夜、噂は現実になった
- ★★★ Excellent!!!
「夜の校舎が凍りつく」――そんな馬鹿げた噂、誰が信じるだろう?
けれど、それが本当に起きるとしたら? しかも、命を懸けるような代償と共に。
市立巾離高校の生徒・天札詠(てんふだ・よむ)は、ごく普通の高校生だった。
あの夜までは。
軽い肝試しのつもりだった。
騒がしい親友・芥丸大我、愛され系委員長・豊花ひのり、そして学校一の孤高の美少女・二降澪奈。
彼らとの偶然の行動が、「日常」から「異常」への分岐点となる。
不可解な現象、見えざる敵、そして「異能」と呼ばれる力。
逃げられない戦いの中、詠は問われる。
「命よりも守りたいものがあるか」と。
少年の心に宿るのは、正義でも、勇気でもない。
ただ、後悔を選びたくないという衝動だった。
衝動はやがて力となり、噂は現実へと変貌する。
これは、「一線を超えた少年」の物語。