概要
妻を亡くし、男手ひとつで育てた娘が高校に合格した。入学式に出席し、保護者説明会の教室へ向かう。ごく普通の、どこにでもある光景のはずだった。
教室にいたのは、スーツを着こなしたドラゴン、和装の白虎、宙を舞う妖精、背広から覗く不定形の何か——。
今年から始まった「異世界親交交流制度」により、娘のクラスには異世界からの留学生がいるという。当然、その保護者も人間ではない。
他の人間の保護者たちは、まるで外国人に接するように異種族と談笑している。なぜ誰もこの状況に疑問を持たないのか。崇文ひとりが混乱する中、さらなる災難が降りかかる。
竜族の長と白虎族の王——教室で最も存在感を放つふたりに、なぜかPTA会長に推薦されてしまったのだ。
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- ★★★ Excellent!!!1年A組、異世界クラス。
本当なんだよ。娘が入った高校のクラス、異世界の住人がいるんだぜ、普通に。生徒として。それもひとりふたりじゃない、うようよだ。入学式の後、PTAの説明会があって保護者が集まったんだけど、異世界からの保護者もうようよいたんだ。ドラゴンとか虎とかが、スーツやら和服やら着こんで、普通に座ってんだぜ。……ああ、うん、そんな風に白い目になるのが当然だよ、俺もそう思う。けどさ、ほかの人間の保護者……いや、変な言い方になっちゃうけど、実際そうなんだよ、どう見ても人間じゃない保護者と、なーんの違和感もなさそうになじんで、普通に接してんだぜ。なあ、俺がおかしいのか? きみみたいに、「はあ?」って思った俺は、おか…続きを読む
- ★★★ Excellent!!!男は、自分の運命を未だ知らない……。
男手ひとつ。大事に育てた娘が、第一志望校に入学いたしました。
めでたいことですな。
そして、学校の説明会に父親として参加したのですが……
まあ飛んだインターナショナルスクールだったようでして。
多様化が進んでらっしゃる。何せ……
ドラゴンやら、タイガーやら、コボルトやら……こちらの世界外からの住民の方々がクラスメイトになっておられるわけですので。
なんじゃこりゃ。と思う暇もなく、最初の関門。すなわちPTAの会長を決めねばなりません。
候補者は龍。そして、対抗馬にホワイトタイガー。
リュウコアイウツというやつですな。
まあ、そうでなくても多種族をまとめる会長になるわけです。差…続きを読む - ★★★ Excellent!!!こんなPTA会長やだ……
現実、PTAでの協力は大切なこと。分かってる、分かっていますとも。
それでも役員となると及び腰、まして会長はご勘弁願いたい。
そんな本音ってあると思います。
それが、竜やら虎やらと見るだけで圧力に負けそうな保護者さえいる高校のPTA会長をやらされる羽目になるとは……
平凡な人物である主人公には同情しか浮かびません。
しかし、これだけではないのです。
作者様の構成力、筆力といった技巧に唸る短編です。
何気ない場面で思いがけない仕掛けがあったことに、最後になって気付かれるはず。
私は意地悪ですので、それが何かを申し上げません。
是非、ご自身の目でお確かめください。