『鳥舞師』の舞の中にダンス、踊りの原点を見た気がしました。ダンス、舞踊の始まりは、人が何かを見たり、感じたりしたとき、自然に体を動かしたり、言葉では伝えようのないものを表現したことが始まりなのではないかと思います。ダンスというものに発展してカッコいいとか、美しいとか、芸術的とかいわれるものは、それはそれで素晴らしいものに違いないのですが、囀沢さんの舞の中に『踊り』の原点を見た様な気がしました。『鳥舞師』素晴らしい作品、作品の力強さに圧倒されました。
俗性によって神を殺し、凡俗こそが唯一絶対の正義だと謳う現代の人間には、俗を超えた存在に価値を見出すことはできず。その価値の壁をよじ登った慧眼と熱意とをもつ語り手は、否、それゆえにこそ、超俗を俗界へと捕えて帰ることこそ正しいという価値観から飛び立つことができなかった。だからこそ、舞い手は本物の鳥になって、はるかへと飛び去ってしまった。その語り手の姿もまた、本当の俗物にとっては何ともまぶしく、哀しく感じます。
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