『ユメ』と引き換えに『願い』が叶うなら——キミは何を捨てて、何を選ぶ?

「大きくなったら◯◯になりたい」
「◯◯で有名になりたい」
子供の頃、将来の夢があった人も多いことでしょう。
大人であっても、成し遂げたい大きな夢を持っている人もいるかもしれません。
だけど、今すぐにでも叶えたい願いがあって、夢を諦めることでその願いが叶うのだとしたら。
あなたは、何を選びますか?

本作は、影斗くんとあかりちゃんという不思議な力を持つ二人の子供が、依頼者のユメを「買う」ことで、願いを叶えるチャンスを与えるお話です。
ポイントとなるのは、必ず願いが叶うわけではなく、「依頼者にチャンスが与えられる」ということ。
このルールによって依頼者は重大な選択を迫られることになり、どのエピソードもハラハラドキドキの展開になっていきます。

すごいなと思ったのは、二つ目のエピソード。
こうしたテーマのお話で、綺麗事にまとめることをせず、あくまでシビアな結果を貫いた。
世の中、因果応報です。大人でも子供でも。絶対に間違えてはいけない局面はあるものです。
それを児童向けの物語として描き切ったのが素晴らしいと思いました。

ある望みを叶えるためには、別の望みを捨てなくてはなりません。
ユメを諦めたとしても、自分にとって真に大事なものさえ忘れなければ——選択を誤らなければ、別の道が切り拓けるかも?

連作短編を貫くのは、影斗くん自身の秘密。なぜ彼はこのような役目を続けているのか。
彼の戦いを、ぜひラストまで見届けてください。
幅広い年齢の読者さんが楽しめるお話です。おすすめです!

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